昨夜10時過ぎ”松永伍一先生危篤”との知らせを受け、練馬の病院へ駆けつけたが
12時06分、静かに息を引き取られた。77年の生涯だった。
去年のちょうど今頃、一緒にお食事をして以来ご無沙汰していたので
そろそろお誘いしようと思っていた矢先だった。
詩人、作家、評論家、画家とたくさんの顔をもたれていたが、
あえて派手な通りを避けて歩くような先生らしい活動だったと思う。
私は、一人でがんばり抜いて生きているような生き方より、
人通りの少ないところを悠然と散歩しながら、
風の音を聞いているような生き方を好む。
それは人生における落ち着きという問題でもあるし、
品格という問題ともつながってくる。
「老いの美徳」松永伍一 大和書房刊
そんな松永先生だからこそ、自宅で2年間奥様の介護に尽くされたが、
その間にご自身も脳梗塞を患われる。
奥様は旅立たれ「人間の修羅の心も自覚した」と先生。
まさに想像を絶する生活であったろう。
松永先生に教わったことは限りないが近著「老いの品格」「快老のスタイル」
「老いの美徳」(いづれも大和書房刊)は、これからのボクの人生になくてはならない
指針となるだろう。
先生の優しさが手のぬくもりとなってボクに伝わった。
間に合って良かった。ボクを呼んでくれたのですか?
いのち
生かされて
きょうの よろこび
松永 伍一
慎んでご冥福をお祈りします。