今から三十年前、渋谷道玄坂上に「玄武館」があった。昔の清香園のとなり。
陶芸好きのオーナー李康則さんがよりすぐった若い陶芸家の作品を並べていた。
その中の一人「塚本治彦」さん。
ボクも焼き物好きで、焼き肉をいただいた後、
必ず寄って、器を手にし、気に入った作品を買って帰った。
その中に、塚本さんの作品があった。
今にして思えば、かなりの若さなれど偉才を放っていた。
その後、李さんを通してお付き合いが始まり、李さんは「まだん陶房」を開設。
ボクも参加し、楽しく陶芸をさせていただいている。
今回の池袋東武「織部 塚本治彦作陶展」は15回記念。
伊賀織部、志野、黄瀬戸、粉引と塚本さん独特の作品が並ぶが、
毎回、この人は進化する。
織部に浮き上がる赤とグレイの妖しさは何だ?
即教えてくれる大物ぶり。でも誰でもは出来へんよ。
酒が強くて、優しくて、怒りの顔など見た事ない。
けど、本音が、この作品に出てる。
桜島のマグマのような力強さ。雄々しさ。
先生にはかないまへん。
進化の男。塚本治彦。ここにあり。
東武は終わったけど、札幌に行かれます。
感動もんをじかに見てください。