
ちょっと固い話でごめん。「昭和史」半藤一利著。読んでみた。僕らは戦後生まれやろ。お父さんたちがぎょうさん戦争から帰って来たもんやから、やたら子供が出来てね。それが僕ら団塊の世代よ。正直戦争は知らへんよね。
この著者、すばらしい。日露戦争に勝利した日本が、世界を敵に回した戦争に駆り立てられてゆく経緯を実に解りやすく書いているんよ。勝てるはずのない戦争に「もう、しゃあない、いてまえ」で310万人死んだんよ。もちろん冷静にシュミレーションして反対した人もいたんよ。けど勢いてあるでしょう。日に日に勢い増して、反対を口にすると村八分にされそうな、どうにもならん勢い。その勢いが反対派を遠ざけ、言論を弾圧し、戦争のための政府が出来る訳よ。昭和天皇、議会、海軍、陸軍。悲しいかな国民は置き去りにされたんやけど。それぞれが何を主張し、あの忌まわしい戦争に至ったか、明治の人達が作ってくれた日本を自ら滅ぼしてしまった戦争て何やったんか。ものすごく解りやすいんよ。
一時前まで憲法改正なんて大きな声では言えへんようなとこあったけど、今どう?どの新聞も、どう改正するか?いう流れに変わってるよね。この勢いで九条変えるわけ?アメリカの利益を守る戦争に自衛隊がいつでも出て行けるように変えるわけ?そんなことしてええの?
僕は右でもないし左でもない。けど僕らの時代に変えた憲法で子供たちや孫たちが戦争に駆り立てられたらたまらんでしょう?この本読んでたら昔も今も日本人の精神構造はあんまり変わってへん気がする。よう考えて。あの戦争でも破滅に導いた主導者たちを選んだんは他でもない国民やったんよ。あの戦争をきちっと教訓にせなあかんよね。戦争の悲惨さを伝えるために、一日一章ずつでええから読んでみて。