竹脇無我さんお別れの会で友人代表としての言葉です。
無我ちゃん。
来年の明治座、新歌舞伎座。一緒に舞台に立ちたかったね。
15年前名古屋で、うつ病に負けそうになってたあなたと舞台に立った。
その公演中に僕の方が腸閉塞を患ってしまって、泣く泣く舞台を降板したんだけど、
僕の病室に、千穐楽を終えたあなたが入って来た。そして、照れ臭そうに
「輝ちゃん、俺が、そこにいなきゃなんないのにな」って、東京へ帰って行った。
お父さんが自死された47歳。その歳の誕生日を迎えるのをあなたは恐れていた。
でも松山英ちゃんも、井上孝雄さんも、僕も、皆必死であなたを守った。
あの時、あなたはお父さんの事を乗り越えたんだよね。
それから五年経ってからなんだよ、うつ病という病気にかかったのは。
そして孤独な闘いの末に、見事に鬱病を克服した。
そして、さあこれから晴れ晴れとした竹脇無我を見せてもらえるな、と思ってた矢先、
何でかな、急ぐように行ってしまった。
ま、いいか。芝居のダメ出しは、森繁の親父さんにお任せすればいいし、
細かい事は、松山英ちゃんに頼んだらいいしね。
とにかく、そっちの方が仲間沢山いるんだから、
あなた流のマイペースで皆さんと仲良くして下さい。
長い間、僕のようなものと仲良くしてくれて嬉しかった。
無我ちゃん、ありがとう!
無我ちゃん、本当にありがとう!