
森繁さんには勝てんけど、この歳になるとね訃報が多いんよ。
”時間ですよ”の久世光彦”さんが亡くならはった。ドラマの仕事は
ご一緒できなかったんやけど”かもめ”と”あなたを忘れない”を小谷夏の
筆名で作詩していただいたことがある。
その頃はドラマの人やなあと漠然としてたんやけど、数年後
いいネタは無いかと走り読みした直木賞候補「逃げ水半次無用帳」で
小説家としての久世さんに接して正直ぶっ飛んだ。
連載中の週刊新潮”大遺言書”にしても、
森繁さんのエピソードもさることながら前後をつなぐ久世さんの名文も楽しみやった。
この人えらい人やな・・と思っていた矢先・・あれ自分の遺言やったんですか?
森繁さん初め、松山英太郎も竹脇無我も仲良かったから、
結構お会いする機会は多かったけど、小説読んでからお会いすると緊張した。同じ”てるひこ”やのにね・・惜しいし・・早過ぎる・・一度・・演出して欲しかったね。
何より・・森繁の親父さんが心配よ。
”かもめ”
季節はずれの 海を見ている
あきらめきれない 男がひとり
仲間にはぐれた かもめが一羽
北国の暮らしには もう慣れたかい
寒いはじめての土地だから 気にかかるよ
ゆきずりの二人が ふとすれ違った
たった それだけのことだけど 忘れられない
一年身を寄せあって いま別れて
甘い想い出 甘い想い出だけが 糸をひくよ
詩 小谷 夏
曲 小杉 仁三
久世さん・・・皆が好きな歌です。安らかに・・・・合掌。